第40回【ミックスダウンとマスタリング】備忘録要点

■ミックスダウン


まずは、基本となる「ドラム(+パーカッション)、ベース、コード楽器、メロディ」のバランスを納得のいくバランスにまで仕上げる。

この基本となる4パートのバランスがしっかりしていれば、その他のパートは、どのようなバランスにしても、大きく崩れる事はない。


次に、ドラムとパーカッションのバランスを最終調整し、その後、バスドラとベースが同じくらいのボリュームになるように調整。


そして、コード楽器、メロディパートのバランスを最終調整する。


基本的には、小さく聞こえる音を上げるよりも、大きく聞こえる音を下げる
「引き算のミキシング」
をする事がバランスを取りやすくするコツ。

 
インストならば、メロディもバッキングも楽器なのでバランスがとりやすいが、
生歌の場合は、少し迷う。
目安としては、歌詞が聞き取れるくらいになるようにする。
そして、イントロや間奏部分に「ソロ楽器のフレーズ」が有れば、ソロ楽器と、ボーカルのボリュームをほぼ同じくらいにしておく。

 

パンは、「バスドラ、スネア、ベース、メロディ」は真ん中に固定し、
その他のパートは、左右が同じくらいの
「音量、音圧」
になるように、まんべんなくバラす。

高音楽器ほど左右に大きく振り、低音楽器ほど、真ん中に近くなるように振るとバランスをとりやすい。


リバーブやディレイがかかり過ぎると、音がぼやけてしまうので、自分が許せるギリギリの所までしぼる。


コンプは、圧縮しすぎて音質が変化していないか、その場合は、圧縮率(レシオ、スレッショルド)やリリースタイムが適切かをチェックする。

コンプで圧縮すると、高音域が抑えられ過ぎる事があるので、
「音の抜け」が悪くなったと感じた時は、
圧縮率を緩めるか、EQを使って高音域を補正し➡
コンプのon off ボタンで切り替えて耳で確認。
自分の耳を信じて判断する。


メロディが聞こえにくいと感じた時は、コード楽器の中音域(メロディの周波数帯域)を少しだけカットを試す。
これだけでも効果的。

 

基本となる4パートのバランスが出来上がったら、その他のパートをミキシングして行く。

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ハモリは、メロディのサポート役なので、
メロディより目立つ事は避け、弱めに。

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ミキシングの裏技➡
ミキシングしたい曲に

「ジャンルや使用楽器」

が似ている市販曲を、DAWのトラックに取り込み、ソロボタンやミュートボタンを活用して、その市販曲と聞き比べながら、ミキシング調整をする。
そうすれば、各パートの音量バランスや音圧、
エフェクトのかかり具合など参考になる。

■ミックスダウン


まずはボリュームフェーダーを使って、
マスタートラックの音の最大値が

「音が割れない範囲で、最大の音量」

になるように調整する。

音割れしているかどうかは、耳で判断。
ヘッドホンを使うと、細かい部分が分かりやすいので、音割れチェックには適している。


そして、必要に応じて、音圧をかせぐために、マスタートラックにコンプやリミッターをかける。

最終的なEQ調整をしても良い

マスタートラックにコンプやEQをかける事を、トータルコンプ、トータルEQなどと呼ぶ。

※ リミッターは、上げすぎてもはみ出たら押さえてくれるので必ずセットすべきだと思った。


ボーカルや楽器は、中音域に固まりやすいので、中音域を少しカットする事で、全体的に音がスッキリすることが多い。

そして、コンプで失われた高音域を補正するため、ほんの少しブーストすると良い。


マスタリングの時に、さらに音圧調整をできるようにするため、ガチガチに音圧を上げるのではなく、多少の余裕を持たせておくと良い。

この時点では、やや音圧が低く感じるくらいでOK。
なお、トータルコンプやトータルEQでも、
パートのバランスは多少補正できるが、
補正すると、他のパートにも影響する。

バランスが気になるようであれば、
ミキシング作業にまで戻り、1パートずつ調整。
トータルコンプやトータルEQは、各パートのバランスではなく、全体のバランスを調整する事。

■マスタリング


取り込んだ後は、ミキシングの要領で「ボリューム、音圧、EQ」を調整し、
全ての曲が「同じボリューム、音質」になるように調整する。

マスタリングの時点で、あまり音質を変えてしまうと、ミキシングしてきた意味が無くなる。

調整する時のポイントは、
サビ部分の

「ヴォーカルや主旋律パート」

に着目すること。

曲を聴くときは、ヴォーカルが一番耳につくので、全曲とも、サビ部分のヴォーカルのボリュームがほぼ同じ大きさになるようにすると良い。
インストならば、最も盛り上がる部分の主旋律パート。


マスタリングするときは、どれか1曲を基準にして、その基準曲とのバランスを取るようにすると、やりやすい。

音割れ防止のため、
リミッターを入れるのも良い。
 


CDは通常、曲と曲の間に2秒ほどの空きがある。
この2秒を考慮して空き時間を作り、
それからAIFFやWAVなどのファイルに変換する。


CDの音質ならば、
「ビット=16bit」「サンプリング周波数=44.1kHz」なので、
CD化する場合は、この数値に合わせておくと良い。
(ちなみに、CD音質のビットレートは16ビット×44100回×2チャンネル=1411200=1411.2kbpsとなる。)
MP3ではビットレート「128kbps」が標準。